おつかれさまでした

意味のないことを書きます

一緒に行き場をなくして

特に意味もなく残業して、ひと段落したところでそろそろ帰ろうか、と思いつつひとまずトイレに向かい、右側に並ぶ洗面台を通り過ぎ、左手前と奥に2列ずつ、全部で4つある個室の一番奥にある扉を開けようとしたときに、あっ、と思った。突然のことだった。そ…

夕方の透明を唇に纏う

夕方のようなリップグロスをもらった。 まるで夕空をちいさな容器にぎゅっと閉じこめて、その奥に隠れたちいさな星々の予感を散りばめたみたいだ。その途方もない時空の密度に、液体はとろりと蜜のように濃い。数えきれないほどの生き物たちの、数えきれない…

私は本当に帰れるのか? - メモ

「一度外にでてしまったら、帰ることなんてできないのよ 外にでるっていうのはそういうことなのよ」 カタールはドーハの空港で、羽田行きの飛行機を待ちながら、「帰る」ということについて思いを馳せる。 日本に帰れて嬉しい?――うん、嬉しいよ、さみしくな…

死んだら遺骨をジュネーブの大噴水でぶっ放して欲しい

ジュネーブには湖があって、その湖の真ん中(湖全体を考慮すると正確には真ん中でもなんでもないのだが、ジュネーブ中心街から臨むと真ん中にあるように見えるので、ここでは便宜上そういうことにしておく)には大きな噴水がある。噴水というと、お洒落な公…