おつかれさまでした

意味のないことを書きます

私は本当に帰れるのか? - メモ

 
「一度外にでてしまったら、帰ることなんてできないのよ
外にでるっていうのはそういうことなのよ」

  

カタールはドーハの空港で、羽田行きの飛行機を待ちながら、「帰る」ということについて思いを馳せる。
 
日本に帰れて嬉しい?――うん、嬉しいよ、さみしくなるけどね。
ねえ早く帰ってきて――ありがとう、私も早くみんなに会いたいよ。
 
私は今日、一年間を過ごしたジュネーブから、故郷日本に帰る。
仮の滞在を終え、本来あるべき場所へ帰る。
 
けれど、どういうわけか「帰る」という言葉が今の私にはしっくりこない。
家族の住む家、毎日のように通った渋谷、大学のキャンパス……確かに懐かしいし少し恋しい。そこに居られるのは嬉しいな、と思う。でもそこが私の帰る場所なのか?と問われると、心の底からそうだと言えない自分がいる。実際に日本に到着して、「ああ帰ってきた!」と安心感に浸れるかどうかというと、きっとそうではないだろうと思う。
 
こういう場合、形の上では「帰った」ことになるのだろうけれども、感情の伴わない「帰還」は果たして帰還と呼べるのだろうか?それはむしろ、「戻った」と言ったほうが正しい気がする。
 
私は本当に「帰る」ことができるのだろうか、と少し不安になる。